オペラハウスツアーに参加してみました!

2007年に世界遺産に登録されたことでさらに株が上がった、押しも押されぬシドニーのシンボル。その見学ツアーで現代建築のお勉強! 

こんにちは!シドニーナビです。はい、今日はいわずもがなのシドニーのシンボル、オペラ・ハウスにやってきました。外観を見るだけでも記念になるのですが、2007年に世界遺産になった21世紀を代表するこの建築物、館内のステージも是非!この目で見てみたいですよね。公演を見に来ればもちろんステージには入れるのですが、時間の余裕がない人のためには専任ガイド付きの「ステージツアー」が観光客向けに用意されています。このツアー、これまでは英語版しかなかったそうですが、2006年から日本語、中国語、韓国語のガイドがスタート。それぞれの母国語でのわかりやすい解説が人気になっています。
ここ1年は日本の利用者がたいへん増えたそうで、やはり日本人は「世界遺産フリーク」であることがこんなところでも分かった次第。では、今回のガイドさんの「ハナ」さん、よろしくお願いします!
この日の日本語版30分ツアー。ガイドのハナさんです。

この日の日本語版30分ツアー。ガイドのハナさんです。

オペラハウスツアーに参加してみました!

チケット購入->ミーティングポイントで集合

まずはチケットから。これはオペラ・ハウスのホールに専用の窓口があるのでそちらで。行くと次のガイドが何時にあるかとか、チケットにガイドさんとの名前と「ミーティングポイント」の場所を案内してくれます。
オペラハウスツアーに参加してみました! オペラハウスツアーに参加してみました!
ミーティングポイントは地下のスーベニアショップの前。

ミーティングポイントは地下のスーベニアショップの前。

早めに着いてしまったら、ここで時間をつぶせます。

早めに着いてしまったら、ここで時間をつぶせます。

参加者はたぶん団体さんが10人前後、それ以外に個人で参加していた人もいたようです。オペラ・ハウス中、最も大きい「コンサートホール」を中心に見せてもらえますが、ホールの使用状況によってはまれに見られない日もあるそうです。
「この建物はコンサートホール、オペラ劇場、ドラマシアター、プレイハウス、スタジオシアター、フレンチレストランからなります」
と時折立ち止まりながら、説明が始まります。

建設プロジェクトは20年!

設計はデンマークの建築家ヨーン・ウッツォン。1950年代初めに「シドニーにオペラハウスを!」という提案からプロジェクトが開始、1956年の選考には世界から233もの作品の応募があったそうで、彼の案は当初落選していたのですが、選考委員の強い支持もあって復活、みごと当選したのだそうです。
「光に満ちた巨大な土台に優雅な甲羅がおおいかぶさる」球体と三角形が中心の斬新なデザインで、「四角形の建物にしなかったのは、どこから見ても違うシェイプに見せたかったから」とのこと。しかし、今までにない発想と、柱が一本もないという構造はデザイン的に美しくても技術的にはなかなか困難で、4年で完成予定が14年もかかり、かかった金額も10倍以上になってしまったとか。
その間、理想を追い続けるウッツォンと、予算などの兼合いから現実的にことを運ぼうとするニューサウスウェールズ州との間に確執もあり、1966年にはオペラハウスの完成を見ずウッツォンが辞任。主に内部のデザインはオーストラリア人の3人の建築家が引き継ぎ、完成させることになりました。
「一本一本、線がひいてありますよね。柱がないため、建物のパーツは積木のように積み上げられていったのです。それから、この建物はタイルが中心の外側と、木造中心の内側に分かれていて、2つの建物を重ねたような設計になっているので、とても頑丈なんですよ」
始終、上を見ながらの説明。首がつかれます(^^ゞ
幾重にも並べられる板状の木が作る壁面。波のうち方はもちろん海をイメージしているのでしょう。

幾重にも並べられる板状の木が作る壁面。波のうち方はもちろん海をイメージしているのでしょう。

キャビンにやってきました!

ハーバーが見える、ガラス張りの休憩ホールまで階段を上ります。コンサート時はカフェになる場所。それにしても、半世紀前の建物にこれだけのガラスを使った建築物は少なかったはず。しかも、ここは船のキャビンを思わせるニクイ演出を見せるなど、その先見性にはナビも驚きです!
ここからは隣りのオペラ劇場の天井がよく見えるので、ガイドさんがタイルの話をスタート。「ここではスウェーデンから輸入した2色のタイルを使っています。だから純白ではないんですね。このタイルは汚れが雨と風ですべて落ちてしまうという特注品なので、これまで屋根は一度も掃除をしたことがない」んだそう。黄ばんで見えるのは汚れではなくもともとそうであって、掃除の必要がないというのも意外でした。

ホールも一見の価値あります~

「さあ、ホールに入ってみましょう」とドアの中に招き入れられ、入って行くと、参加者一同歓声!360度の客席は雄大、音響効果を最大にひきだすため、全てを白樺の木を重ねたシェイプにしてあり、デザイン的にも豪華絢爛!

舞台の上には透明の円盤状のものがぶら下がっていますが、それは音を反射させる装置。天井の高いこのホールでは音が吸い込まれてしまって演奏者に音が聞こえないため、この装置に反響させるのだそうで、演奏の規模によって上下に調整できます。ちなみに最も安い席はオーケストラが後ろ側になる舞台の後ろ側。音がずれて聞こえるそうです。でもこちらは指揮者がよく見える、ということで意外と人気なんだそう。また、ここの椅子も座りやすいのですが、これはお医者さんがデザインしたもので、座りやすく、疲れにくくなっているのだそうです。

再度の申請で世界遺産の座をつかむ!

1973年10月20日にオープンしたオペラ・ハウスは2007年、「20世紀を代表する建築物」として世界遺産に選ばれました。実は1980年代にも申請をしていて、今回は再度のチャレンジ。審査にも数か月を要したとのことですが、数ある世界遺産の中ではたぶん最も若い、しかも当事者がまだ生存しているうちに登録されるという、珍しいケースとなりました。構想から20年近くかかるという苦難多いビッグプロジェクトだったことに加え、完成したものが設計者の理想に近く、緻密さが際立っていたことなどが評価されたのかも。

60分ならウッツォンルームへ

30分のツアーはこれで終了ですが、ナビは60分コースに含まれるオペラ劇場と、ウッツォンルームにも特別に案内していただきました。60年代破局してしまった関係は、オペラ・ハウスの改装計画で和解、再びプロジェクトに参加することになったウッツォン。その記念に2004年に作られたのが「ウッツォンルーム」で、彼の理想のまま設計されたものです。
オペラ劇場のほうのカーペットはすべて赤、が映えています。

オペラ劇場のほうのカーペットはすべて赤、が映えています。

オペラハウスツアーに参加してみました!
ウッツォンルームは一面、明るいタペストリーで彩られています。これは外からでもよく見えるそうで、ウッツォンさんもそれを狙ってこれだけ大きいものをしつらえたらしいです。

個性派ガイドにめぐりあえるかも!

ちなみに日本語ツアー担当は日本人ガイドを中心ですが、今回のように韓国語の担当者がピンチヒッターになることもあるし、日本語が堪能な中国人になることもあるとか。ちなみにそれぞれ皆さん個性があって、タカコさんはベテランだけに説明がユーモラス、タカヨさんは建築の説明に明るい、ということなので、それぞれ特に興味がある方は当たるといいですね。ちなみにガイドさんは日によってローテーション制になっているので指名はできません。あしからず。

オペラ・ハウス見学ポイントいろいろ~

確かにこのオペラ・ハウス、ウッツォン氏が語るように、どこから見ても美しいことに気付きました。サーキュラー・キーからの姿、王立植物園を海沿いに歩いたミセス・マッコーリー・チェアの先端からみるハーバー・ブリッジを背にした姿、ノース・シドニー側のミルソンズ・ポイント側からの姿、フェリーから見えるシドニー市内を背にした姿、どのオペラハウスも本当に素敵なんです。

オペラ・ハウスの魅力を突きつめると、ほんとうに語りつくせませんね。皆さんもそれぞれのオペラ・ハウスの魅力、探してみてください!シドニーナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-04-30

ページTOPへ▲

関連記事

オペラハウス

オペラハウス

シドニーを代表する観光スポット、オペラハウスの魅力をじっくりご紹介♪

その他の記事を見る